D8 ADVANCEは、D8回折計シリーズのプラットフォームに基づいており、完全に含むすべてのX線粉末回折および散乱アプリケーションのために設計されています。
その優れた適応性により、D8 ADVANCEは、液体から粉末、薄膜からバルク試料まで、あらゆる種類のサンプルを1台の装置で測定することができます。
初心者でも熟練者でも、設定変更は素早く、簡単に、そして確実に行うことができます。これは、ブルカー独自のDAVINCI.DESIGNによって可能になりました:リアルタイムに設定を自動認識・検証し、工具や調整作業なしで装置構成の変更が可能です。
さらに、NIST標準試料SRM1976に基づくアライメント保証を提供しているのはブルカーだけです。ピーク位置、強度、分解能の点でD8 ADVANCEを超える測定精度を持つ粉末回折計は、市場には他にありません。
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特許取得済みのTWIN / TWIN光学系のビームパス設計は、D8 ADVANCEの使用を大きく簡素化し、様々なアプリケーションや試料への対応を可能にします。ユーザーの利便性を考慮して、システムは2×2の異なる光学系を自動で切り替えます。ユーザーが手動で調整することなく、粉末試料用のBragg-Brentano集中法光学系と、不定形な試料、被膜、薄膜試料などに用いる平行ビーム光学系をソフトウェア上で切り替えることができます。粉末、バルク、ファイバー、シート、薄膜(アモルファス、多結晶、エピタキシャル)など、あらゆる種類のサンプルに最適な測定が可能です。
ブルカー独自のDBO機能は、X線回折のデータ品質の面で重要な新しい基準を打ち立てました。電動発散スリット、電動アンチスキャッタースクリーン、検出器の可変ウィンドウの自動同期化により、特に低角度でのデータ品質は他に類を見ないものとなっています。DBOは、LYNXEYE検出器シリーズ(SSD160-2、LYNXEYE-2、LYNXEYE XE-T)の全製品でサポートされています。
LYNXEYE XE-T は、LYNXEYE シリーズのフラッグシップモデルです。LYNXEYE XE-Tは、0D、1D、2Dの各モードでデータを取得できる唯一のエネルギー分散型検出器です。全波長 (CrからAgまで) に対応し、最高の計数率と最高の角度分解能を備えたこの検出器は、あらゆるX線回折・散乱アプリケーションに最適です。検出器
LYNXEYE XE-Tのエネルギー分解能は380eVを超え、蛍光フィルタリングの面では市場で最高の性能を発揮します。LYNXEYE XE-T検出器では、Cu K線で励起された鉄系サンプルからの蛍光を、回折強度の損失なしに100%除去可能です。さらにKβフィルターが不要なため、残存Kßピークや吸収端などのアーティファクトも排除できます。また、強度を低下させる受光側モノクロメーターも不要になりました。
LYNXEYE XE-Tは、ブルカー社独自の検出器保証が付いています。納入時に不感素子が1つもないことが保証されています。
DAVINCI.DESIGN
Dynamic Beam Optimization™
LYNXEYE XE-T
TRIO/TWIN 光学系
EIGER 2 R 検出器
コンプライアントラボ向けソリューション
装置とデータの品質
X線粉末回折(XRPD)技術は、材料の特性を評価するための最も重要なツールの一つです。粉末の回折パターンに含まれる情報の多くは、結晶相の原子配列を反映しています。D8 ADVANCEとDIFFRAC.SUITEソフトウェアは、一般的なXRPD法を簡単に実行できるようにサポートしています。
二体分布関数(PDF)解析は、散漫散乱(全散乱)と同様にブラッグ回折に基づいて不規則物質の構造情報を解析する手法です。ブラッグピークが材料の平均的な結晶構造(長距離秩序)に関する情報を提供するのに対し、拡散散乱はその材料の局所構造(短距離秩序)の評価を可能にします。
D8 ADVANCEとTOPASソフトウェアは、アモルファス、低結晶、ナノ結晶、ナノ構造材料の分析において、分析速度、データ品質、結果の点において最高のパフォーマンスを発揮するPDF分析ソリューションです。
薄膜とコーティングの分析は、XRPDと同じ原理に基づいていますが、さらにビームコンディショニングと角度制御を行います。代表的な例としては、相同定、結晶質、残留応力、テクスチャー分析、厚さの決定、組成対ひずみ分析などがありますが、これらに限定されるものではありません。薄膜やコーティングの分析は、アモルファスや多結晶コーティングからエピタキシャル薄膜に至るまで、nm~μmの膜厚を持つ層状材料の特性に焦点を当てています。D8 ADVANCEとDIFFRAC.SUITEソフトウェアは、以下のような薄膜の高品質な解析を可能にします。
結晶相定性: Phase ID
結晶相の定量評価
雰囲気制御 XRD
結晶配向解析
残留応力解析
X線反射率測定 (XRR)
小角X線散乱 (SAXS)
機能 |
仕様 |
利益 |
TRIO/TWIN光学系 |
ソフトウェアPush-Button切り替え: 電動可変発散スリット (Bragg-Brentano集中法光学系) 高強度平行ミラー (Kα1,2平行ビーム光学系) Ge(004) 2結晶モノクロメーター (Kα1高分解能平行ビーム光学系) 特許: US10429326, US6665372, US7983389 |
電動モーター制御により3つの発散スリットモードと2つの平行ビーム光学系の完全自動切り替え 非晶質、結晶質、エピタキシャル薄膜にかかわらず、粉末サンプル、バルクサンプル、繊維サンプル、フィルムサンプル、薄膜サンプルなどのあらゆるサンプルに最適 |
Dynamic Beam Optimization |
最適化された連動動作を実現: 電動発散スリット 電動エアスキャッタスクリーン 可変アクティブ検出器ウィンドウ 角度範囲2Ɵ: <1~150º |
空気散乱および装置や試料由来の散乱がほぼない測定データ 検出下限値が大幅に強化され、微量結晶相やアモルファス相の定量が可能に 低角2θでの他に類を見ない性能を発揮し、粘土、医薬品、ゼオライト、多孔質骨格材などの正確な評価が可能 |
LYNXEYE XE-T検出器 |
最高エネルギー分解能: < 380 eV @ 8 keV (25°C、半値幅) 検出モード: 0D, 1D, 2D 対応波長: Cr, Co, Cu, Mo, Ag 特許: EP1647840, EP1510811, US20200033275 |
Bragg-Brentano集中法光学系、POLYCAP平行ビーム光学系においてKβフィルターや受光側モノクロメーターは不要 Cu波長では鉄系サンプルからの蛍光X線を100%除去可能 従来の0次元検出器搭載システムと比較して、最大450倍高速測定を実現 Bragg-2D: 発散ラインビームを用いた2D回折パターン記録 検出器保証: 不感素子なし (納品時) |
EIGER 2 R |
最新のハイブリッドフォトンカウンティング (HPC)技術にもとづくマルチモード検出器 (0D / 1D / 2Dモード) |
0D, 1D, 2D検出モードを用いたスナップショット、ステップスキャン、連続スキャン、アドバンスドスキャンのシームレスな統合 2θまたはγ方向の記録領域を最大化する人間工学にもとづいた検出器搭載方向切り替え機構 パノラミック光学系は工具を用いることなく広い回折情報の記録を実現 自動検出機距離認識機構により、測定目的に応じて測定記録範囲と角度分解能のバランスを両立 |
TWIST-TUBE |
調整作業なしのライン焦点とポイント焦点の迅速な切り替え機構 |
電源ケーブルや冷却水配管、X線管球の取り外しが不要 DAVINCI.DESIGN:焦点方向の完全自動検出と設定 |
サンプルチェンジャー |
FLIPSTICK:9サンプル AUTOCHANGER:90 サンプル |
反射および透過配置での測定 |
D8ゴニオメーター |
光学エンコーダー付ステッピングモーター制御2軸ゴニオメーター |
ブルカー独自のアライメント保証により、他に類を見ない精度と確度を実現 メンテナンスフリードライブ機構 |
雰囲気制御アタッチメント |
制御温度範囲: -188 ~ 2,300℃ 制御圧力範囲: 10-⁴ mbar ~ 10 bar (7.5×10-⁴ Torr ~ 7.5×10³ Torr) 制御湿度範囲: 5% ~ 95% (相対湿度) |
大気雰囲気および雰囲気制御下における分析 DIFFRAC.DAVINCIによるステージモニターと制御 |
Bruker XRDソリューションは、あらゆる分析ニーズをカバーするようにデザインされた高性能コンポーネントで構成されています。モジュール式デザインが最高の装置構成を自由に組み上げます。
すべての種類のコンポーネントは、Brukerが開発・製造を行っています。また、サードパーティ製品は緊密なコラボレーションの結果実現されています。結果、それらはBrukerのコアコンピタンスの一部を担います。
Bruker XRDコンポーネントは、分析性能を拡張するため、インストール済み装置へのアップグレードパスをご提供します。
DIFFRAC.SUITE™は、粉末X線回折などのデータ取得と評価を簡単に行うための幅広いソフトウェアモジュールを提供します。Microsoftの.NET技術をベースにしたDIFFRAC.SUITEは、安定性、使いやすさ、ネットワーク化など、最新のソフトウェア技術のメリットをすべて備えています。
カスタマイズ可能なユーザーインターフェースは、プラグインフレームワークデザインを採用し、共通のルック&フィール、操作性を提供します。すべての測定・評価ソフトウェアモジュールは、個別のアプリケーションとして操作することも、DIFFRAC.SUITEのプラグインフレームワークに統合して使用することも可能です。無制限のネットワーキングにより、ネットワーク内にあるD2 PHASER、D8 ENDEAVOR、D8 ADVANCE、D8 DISCOVERのあらゆる回折計へ自由にアクセスして制御することができます。
測定ソフトウェア:
WIZARD – 測定条件検討と作成
COMMANDER – 装置制御とマニュアル測定
TOOLS – メンテナンスインターフェース
粉末回折ソフトウェア:
DQUANT – 各種定量分析
EVA – 結晶相定性と汎用粉末XRD解析
TOPAS – プロファイル分析・定量分析・構造解析
材料解析ソフトウェア:
SAXS – SAXS解析ソフトウェア
XRR – 包括的なXRR解析ソフトウェア
TEXTURE – 使いやすさを実現した極点図解析ソフトウェア
LEPTOS – 薄膜解析、残留応力解析