XRDを用いたOperando 測定は、電池をはじめとするエネルギー貯蔵システムの理解を深める上で重要な役割を果たしています。電極内の相転移、格子定数の変化、その他の結晶学的変化などの動的プロセスに関する貴重な知見を提供し、電池の性能と耐久性の向上を追求することができます。
D6 PHASERは、次世代のエネルギー貯蔵の技術革新を支援するため、繰り返し測定の計画から実行、データの可視化、大規模データセットの一括解析までを完全に統合したソリューションを提供します。
D6 PHASERは、ベンチトップ型として史上最高のX線出力(1.2 kW)、コンパクトなゴニオメーター半径、カスタマイズされたビーム光学系、実績のあるLYNXEYE XE-T検出器テクノロジーの組み合わせにより、Operando条件下でのバッテリーセルの分析に優れた品質のデータを提供します。回折パターンはわずか数分で得られ、DIFFRAC.TOPASを使用したリートベルト精密化が可能です。
D6 PHASERには、反射法/透過法配置の電気化学セルおよび透過法配置のパウチセルの双方に適応したステージアタッチメントが設置可能で、正極、負極、セル全体を観察するOperando測定を計画・実施することができます。クランプステージは任意のサイズのパウチセルに対応し、反射法配置コインセルステージアタッチメントはLeRiChe'S Battery Cell Type 2*を想定して作られています。ブルカーが独占的に提供するこのセルは、アミアン大学のLCRSでXRDのため特別に開発されました。セルは軽量かつコンパクトで、組み立てや使用が容易です。
BioLogic社製SP-50ポテンショスタットの制御はDIFFRAC.SUITEソフトウェアに統合されており、X線回折測定と充放電のスケジュールをリンクさせて1つのインターフェースで設定できます。
DIFFRAC.WIZARDでは、ユーザー定義のXRDスキャンと定電流(CC)、定電圧(CV)、開回路電圧(OCV)モードを組み合わせたモジュール測定を設定できます。すべての電気的パラメータはXRDデータとともに測定結果ファイルに記録され、DIFFRAC.EVAで評価および表示されます。
DIFFRAC.EVAは、数百から数千点もの大量のX線回折データセットを素早く可視化できる優れたツールです。個々のデータセットを選択して定性を行い、2Dビューを使って膨大なin-situデータセットの概要を素早く把握することで、新規の化合物や転移点の同定を簡単に行うことができます。また、電流および電圧値の変化をXRDデータとともにプロットしたり、外部ソフトで分析するため表形式で出力したりすることも可能です。
Operando回折測定では、典型的には数百から数千点のデータセットが得られます。DIFFRAC.TOPASのRietveld解析によるプロファイルフィッティングは、わずか数秒の計算時間で、定量評価を含めてセル内部状態の全体像を明確にします。電池セルの完全な積層構造モデルは簡単に設定可能であり、各相の定量と格子定数の正確な評価を可能にします。これには、各層におけるX線吸収、サンプル高さ位置、優先配向の各補正が含まれます。モデルまたはプロジェクトが定義されると、データセットをロードしてワンクリックで精密化を実行することで、次回の解析を実行することができます!