All-in-One Benchtop XRD
It’s all you need
X線回折(XRD)は、重要インフラの建設に使用されるセメントから、バッテリー技術を推進するナノ材料に至るまで、材料のプロセス制御においてきわめて重要な役割を果たしています。この重要な技術の自動化は、一貫したサンプル前処理、一貫したシステム操作、一貫した測定結果を得るために不可欠です。私たちは、新しいブルカーの自動分析ソリューションとしてD6 PHASER AUTOLOADERをご紹介できることを嬉しく思います。
D6 PHASERベンチトップXRDプラットフォームでは、さまざまなパーツを組み合わせることで、幅広いニーズに応えることが可能になります。D6 PHASERのコンポーネントがどのように組み合わされ、フレキシブルな分析手法を実現しているかをご覧ください。
粉末、バルク、薄膜分析の幅広いアプリケーションをサポートするD6 PHASERプラットフォームは、変化する分析ニーズや新規研究に対応するために、新しいアクセサリーの追加が可能で、常に進化し続けています。
「D6 PHASERは、コンパクトサイズと比類のない柔軟性を備えたXRDソリューションの新世代プラットフォームです」
Frank Burgaezy, President, Bruker AXS
ブルカーは60年以上にわたり、学術分野から産業界のユーザーを下支えする革新的な分析装置を開発してきました。われわれの分析ソリューションは、最先端技術と最高のパフォーマンスの象徴となっています。世界中のユーザーにすぐれた技術を提供する一方で、最新の分析手法をより多くのユーザーにもご利用いただけるよう、長年邁進しています。
分析装置の使いやすさを牽引するのが、ベンチトップ型分析装置シリーズです。データ品質、堅牢なハードウェア設計、信頼性の高い結果へのこだわりなど、据置型分析装置で培われたDNAを、小さなフォームファクターへ凝縮しています。
D6 PHASERは、操作性と柔軟性を兼ね備えた画期的なベンチトップXRDプラットフォームです。従来のベンチトップ装置とは異なり、粉末X線回折を超えた高度な分析手法を実現します。D6 PHASERは、その幅広いアプリケーションにより、XRDの門戸を広げ新たなユーザーコミュニティを開拓します。
史上最高レベルのX線出力、コンパクトなゴニオメーター半径、実績のあるLYNXEYE検出器シリーズ、用途に適したビーム光学系を組み合わせることで、既存の大型XRD装置を凌駕します。
「D6 PHASERのプラットフォーム設計は、ベンチトップXRDを標準的な粉末X線回折の枠を大きく拡張しました」
Karsten Knorr, Global Product Manager XRD
D6 PHASERの特徴のひとつは、基本的な粉末X線回折だけでなく、様々なタイプの測定にシステムを適応させることができることです。まさに、あらゆる実験に対応する汎用的な基盤となっています。
AUTOLOADERは、装置前面のドアを開くことなく外部からのローディングが可能です。さらに、ベルトコンベヤーインターフェースを介してサンプルホルダーを自動的にロード、アンロードすることができます。
特別なトレーニングは必要ありません。XRD分析法に関する豊富な知識に基づいて設計された使いやすいソフトウェアと、自動化されたアクセサリーにより、ユーザーは直感的なステップで分析を進めることができます。
測定角度精度保証
高い角度分解能
最も低く理想的なバックグラウンド
従来の2D-XRD測定は、サンプル上の限られたエリアを指定し、大きな検出器を組み合わせて実施します。これは、スペースに余裕のある大型装置では効果的です。しかし卓上装置では、2D-XRDはサンプルの粉砕度合いをチェックしサンプル調製の最適化を進めたり、相同定における反射を関連付けたりする用途が効果的です。D6 PHASERは、2種類の2Dパターンの取得が可能です。PHI 1DとBRAGG2D(特許取得済み)は、LYNXEYE検出器シリーズのいずれかと組み合わせて、集中法光学系の広いX線照射面積を最大限に活かして、2D回折パターンを記録します。この測定モードは、装置構成に依存することなくすべてのD6 PHASERで利用できます。
D6 PHASERは、最もパワフルかつ汎用性の高いベンチトップXRDプラットフォームです。D6 PHASERのプラットフォーム設計は、今後何年にもわたり、多くの新しいツールやアクセサリーが登場する際に、そのコンセプトを拡張することができます。新しいXRD測定アプローチの登場に伴い、ブルカーではD6 PHASERの機能を拡張する新しいアタッチメントの創生を可能にし、既存装置への実装を実現します。
ガイダンス機能と使いやすいインターフェースは、測定結果に対する信頼感を高めます。装置を最大限に活用するための最適な状態を、以下のステップでいつでも検証・維持することができます。
X線回折において、D6 PHASER AUTOLOADERは、材料の相同定から定量解析まで、幅広い分析に対応する最先端のソリューションを提供します。これらの高速で信頼性の高い測定手法を利用することは、ビッグデータイニシアティブに最適です。サンプルのロード、測定、アンロード、その後のデータ評価は完全に自動化されており、オペレーターに左右されないシステムとなっています。
誰にでも使いやすいXRD
XRDは、材料の元素を直接分析することはできませんが、原子がどのような配列になっているかを検出できる点がユニークです。D6 PHASERのような装置が利用できるようになるにつれて、この技法は市場や科学分野に広く採用されるようになりました。経験豊富なユーザーの声を反映した設計により、誰にでも信頼性の高い高品質なXRD測定結果を得ることができます。その結果、ユーザーはその解析に集中でき、一歩進んだ材料情報を得ることができます。
幅広いサンプルに対応
D6 PHASERはサンプルの形状を問わず、様々な測定に対応します。例えば、平板やキャピラリーサンプルの透過法測定から、バルクサンプル、薄膜やコーティングサンプルなどです。サンプルホルダーとステージアクセサリーは、簡単に取り付けられるため、新たなサンプル測定へのニーズを満たすことができます。
置く場所を選ばないXRD
過去の卓上型XRD装置は、そのサイズによっていくつかの制限がありました。例えば、最大X線発生出力、汎用性、使いやすさなどです。そして、古典的な粉末X線回折に限定されていました。D6 PHASERは、妥協のない測定結果と、さまざまな測定の両立を図っています。
機能 |
仕様 |
メリット |
ゴニオメーター |
Theta / Theta 角度精度 |
粉末測定時にはサンプルは常に水平保持 アライメント精度Δ2θ≦±0.01o保証 |
X線発生器 |
40 kV |
600 W または 1,200 W |
冷却送水装置 |
内蔵 外部 |
すべてのX線発生器において外部送水装置は不要 オプションで選択可 |
検出器 |
SSD 160-2 LYNXEYE-2 LYNXEYE XE-T (*) 検出器保証 |
160チャンネルの半導体1次元検出器 超高速1次元検出器 (*) 超高エネルギー分解能1次元検出器 (*) 検出素子生存保証 |
サンプルステージ |
固定ステージ 回転式シングルまたは12ポジションサンプルチェンジャー BTS 150/500 キャピラリーステージ ユニバーサルステージ |
反射法およびフィルム透過法測定用 不均質サンプルの平均化、高いスループット 温度アタッチメント キャピラリー透過法測定用。選択配向の影響を低減 GID/XRRおよび残留応力/極点図解析用Omega/Z駆動ステージ |
AUTOLOADER | 最大5つのマガジンポジション、マニュアルローディングポジション、プリロード機能付きスイング、直径51.5mmまたは40mmサンプル用回転サンプルステージを備えた自動外部サンプルチェンジャー。マガジンポジションの 1つは、コンベアベルト(幅96mmまで)用のベルト接続に交換できます。 | |
電源仕様 |
100 - 240 V AC、AC200 - 240 V 47 - 63 Hz |
600 W以下のX線発生器(壁コンセント対応) 1,200WのX線発生器用 |
制御 | 外部PC 一体型タッチパネル |
Windows 10/11、64ビット 基本操作、装置ステータスモニター、Push-Buttonによる測定実行と自動解析 |
サイズ | 高さ × 幅 × 奥行き 重量 |
700 × 885 × 677 mm 160 kg以下(構成による) |
安全性 | CEコンプライアンス 放射線安全性 |
機械指令2006/42/EC、EMC指令2014/30/EU EU指令2013/59/EURATOM、EN ISO 13849-1:2015に適合する安全回路 |
DIFFRAC.SUITEソフトウェアソリューション は、Plan. Measure. Analyze. をコンセプトに、シームレスで直感的な体験をユーザーに提供します。XRD分析法に関する豊富な知識を活用し、分析プロセスを通してユーザーをガイドします。
DIFFRAC.SUITEのソフトウェアパッケージは完全な機能を備えており、妥協することなく、最も簡単に測定メソッドを作成し、最もパワフルで正確な分析結果を提供します。
DIFFRAC.SUITE MEASUREMENT CENTERと、一般的なデータ評価のためのDIFFRAC.EVA、位相識別のためのCODデータベースは、企業向けには2つ、アカデミックユーザーへは10ライセンスが含まれます。
ユーザーは、装置のグラフィック表示であるDaVinciを使って、測定に適したコンポーネントを設定することから始めます。当社のソフトウェアは、装置のセットアップを行うための明確な指示とガイダンスを提供します。
WIZARDツールは、ユーザーが測定用のメソッドファイルを計画することを可能にします。インタラクティブなテンプレートによるステップバイステップのガイダンスを提供し、可変ステップサイズ、可変計数時間(VCT)、非アンビエント温度プロファイル、テクスチャー、応力、斜入射回折、X線反射率測定などの高度な機能を含む、さまざまな測定を定義することができます。
COMMANDER は、D6 PHASER で測定を実行するための複数の方法を提供します。即時測定インターフェースは、ジェネレーターのパワー、設定された軸、スキャン条件など、装置を直接制御します。このインターフェースは、DaVinciで選択したコンポーネントに基づいて動的に調整されます。また、JOBインターフェースでは、WIZARDで生成されたメソッドファイルを使用して測定を開始できます。プッシュボタンインターフェースも用意されており、ワンクリックやタッチスクリーン操作でメソッドファイルを実行できます。
測定結果は結果データベースに保存され、ファイルとして特定の場所に保存することができます。当社のソフトウェアは、自動分析ルーチンと包括的なスクリプト・プラットフォームを提供し、ユーザーは分析を開始し、結果をデータベースに直接保存することができます。
DIFFRAC.SUITEは、分析アプリケーションとともに、ユーザーデータベースによるアクセス制御を提供します。これにより、適切な人が適切な機能にアクセスできるようになります。また、このソフトウェアはGxPに対応しており、規制産業向けの21 CFR Part 11プロトコルに準拠しています。