OT-AFMコンビシステムはAFMの例外的な表面力の測定およびイメージ投射機能を3Dの最小力を適用し、測定する光学ピンセットの機能と組み合わせる。NanoTracker™ & NanoWizard® - 2次元・3次元での500 fN - 10 nN レンジのフォース測定を行うパワフルな光ピンセットとAFMのコンビです
OT-AFM複合システムでは機械的安定性と自由度、拡張性を高いレベルで実現しました。コンビシステムのために設計されたOT-AFM ConnectorStage™(コネクターステージ) が、NanoWizard®AFMやCellHesion®シリーズと、リーサチクラスの倒立顕微鏡に搭載したNanoTracker™光ピンセットシステムをコンバインする鍵となります。
JPK独自設計のハードウェアとソフトウェアで全反射顕微鏡や共焦点顕微鏡などハイエンド光学系とAFM・光ピンセットの接続を行うことで、相互補完的データを簡単に取得可能に。ダイナミックプロセスを非侵襲のレーザーで制御し、AFMデータ取得を同時に実行します。単一分子と生細胞を3次元でマニピュレーション、フォース測定を行う軸とは別方向にも動かすことができます。光ピンセットにカメラベースのフォース検出機能を追加すれば、デュアルフォース検出アプリケーションにも対応します。
OT-AFMが提供する3D位置決め、検出、操作と、AFMの高解像度イメージングおよび表面特性評価というユニークな組み合わせは、細胞応答、細胞-細胞または細胞-マトリックス相互作用、免疫応答、感染または細菌/ウイルス/ナノ粒子の取り込みプロセスなど、まったく新しいアプリケーションのスペクトルを切り開きます。
OT-AFMは、多数のハンドル、相互作用、検出部位を備え、単一分子アプリケーションの範囲を大幅に拡張します。
1.光トラップで捕捉(高いレーザーパワーでトラップ) もしくは回転を定量化(低いレーザーパワーで測定)しながら、DNAヘアピンをアンジップする(AFM)
2. 修飾DNA分子のスキャン。DNA吸着蛋白(緑)は二つの光ピンセットビーズで捕捉されている。修飾したAFMチップ(青)が分子に沿ってスキャン、DNA吸着蛋白とチップの間に相互間力が生じるとAFMとOTのシグナルで検出できる
3. DNA酵素(例えばポリメラーゼ、ヘリカゼ)ダイナミクスのモニタリング。光学的に閉じ込められた粒子に取り付けられたワンストランドを使用すると、ステップワイズの動きを追跡することができます。閉ループ力クランプにより、一本鎖で一定の力を維持できます。
DNA-エンザイム(例. ポリメラーゼ、ヘリカーゼ)の動態観察。光トラップビースに付着したストランドを使い、ステップワイズモーションを検出した。クローズドループフォースクランプにより、シングルストランドに一定フォースを加える設定ができる。
JPKのOT-AFMシステムは、細胞応答、細胞-細胞または細胞-マトリックスインタラクション、免疫応答、感染、バクテリア/細菌ウィルス/ナノ粒子の摂取過程の解析等への応用が期待されます。蛍光顕微鏡との組み合わせが可能なJPKのAFMとOTのコアテクノロジーは、今後の生細胞アプリケーションの根幹となる技術です。
[1] + [2]: 機能化ビースによる細胞のアクティベーション。AFM測定を同時実行。マイクロ粒子表面のシグナル分子が、細胞の特定位置、指定した時間に接触。
[5] + [6]:力覚細胞を、光トラップされた粒子により加えられる間欠的なフォースで刺激。すると内部の細胞骨格の再構築が細胞の機械特性を変化させる。これらの特性は、AFMのフォースマッピングやJPKの定量イメージングモードQI™-Advancedで容易に測定ができる。
[3] + [4]: 光ピンセットと並行してAFM を使い、一連のプロセスにおける機械特性をモニタすることにより、あるいは膜蛋白の分散を観察したり機械的なふるまいを観察する分子認識フォーススペクトロスコピーで測定することにより、細胞のストラクチャの変化をモニタできる
機能化された粒子や微生物がトリガーとなる細胞応答はよく見られます。その結果生じる細胞ストラクチャ、動態、機械的特性の変化はAFMをベースとした手法で観察できます。しかしながら、細胞のある特定の領域に、トリガーとなる物体を接近させることは非常に困難です。光ピンセットは、高精度かつ正確なタイミングでサンプルをマニピュレーションしたり、細胞にトリガーを加える実験に適しています。従来難しいとされてきた実験のスループット、実験自由度、繰り返し精度は、光ピンセットの機能を駆使することで大きく改善されます。下記の測定例においては、樹状細胞(DC)と制御性T細胞(Treg) のシグナリングが、通常型T細胞(Tconv)とDC間の接着性に影響する様子をOT-AFMにより定量化しました。
[1] 樹状細胞(DC) と通常型T細胞(Tconv)の接着試験。チップレスカンチレバーにTconvを取り付け、基板表面にあるDCにアプローチさせた。カンチレバーを引き上げ、凝着力を測定した。吸着強さに対する影響を調べるため、光ピンセットを使って制御性T細胞(Treg) を付着しDCから引き離す動作を行った。
[2]+[3] 測定セットアップTconvを取り付けたカンチレバーで凝着試験を行っている間に、光トラップ(赤い十字マーク)でTreg を移動させる
[4] 引き離し仕事量を3条件で測定. Treg アタッチメントがDC-Tconv 相互間力を減少させた。Treg を取り除いた後、凝着レベルはほぼ回復した。
サンプルご提供: Yan Shi, University of Calgary/Tsinghua University, Beijing. オリジナルの実験はYan Shi グループにより論文発表されています。
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