広範囲・高速X線元素マッピング
膜厚分析
1 nmの薄膜から40 µmの多層構造まで分析可能
顕微X線蛍光 (マイクロXRF)分光法は非破壊の分析手法で、通常の走査電子顕微鏡/エネルギー分散型X線分光法 (SEM-EDS)と組み合わせて使用することができます。
SEM内でのマイクロXRF (SEM-XRF)により、微量元素の検出やマッピング、多層構造の分析などの新機能をSEMに追加することができます。
X線による元素分析はより高感度で、元素によっては10 ppmの濃度まで検出することができ、より広いスペクトル範囲 (40 keVまで)、より深い位置の情報を得ることができます。
QUANTAX マイクロXRFシステムは新開発のX線源 XTrace2を使用しています。マイクロフォーカスX線光学系を備え、最小10 µmのスポットサイズで高強度のX線を出力します。
X線は電子ビームよりも深く試料内部まで侵入するため、1 nmから40 µmまでの多層構造を分析することができます。
QUANTAX マイクロXRFシステムは走査電子顕微鏡内でのマイクロXRF分析を可能にする分析ツールです。システムは以下のコンポーネントで構成されます。
XTrace 2はSEM内マイクロXRF (SEM-XRF)用の新世代のX線源です。この革新的なX線源によって高分解能マイクロXRFのスペクトル測定を高速に測定することができます。
FlexiSpotモード、アパーチャマネジメントシステム、電動フィルターホイールなどの先進機能で、難しいサンプルからも豊富な情報を引き出します。
XTrace 2はAMSを備えており、複雑な凹凸を持った試料をスキャンする場合でもX線スポット分解能を維持することができます。
XTrace 2 のAMSは焦点深度を深く取ることでワーキングディスタンスが変化する場合でも焦点を維持することができます。これにより、ワーキングディスタンスの変化による空間分解能の低下を最小限に抑え、凹凸の大きい試料の3次元構造を高い空間分解能で元素マッピングすることができます。
FlexiSpot 機能を使用すると、小スポットサイズ (10 μm, 35 μm)だけでなく、より大きいスポットサイズ (50 - 500 μm)でも測定することができます。FlexiSpotでは、X線源を設計上のワーキングディスタンスから移動させてデフォーカスさせます。スポットサイズはESPRITソフトウェア上で選択することができます。
より大きなスポットサイズを使用すると、不均一で不規則な形状の試料や粉末のように表面が平坦でない試料に対しても、正確な定量を行うことができます。また、統計的により正確な試料組成を一度の測定だけで得ることができます。
新製品 XTrace 2 は6枚の1次フィルターを備え、最高 40 keVまでのエネルギー範囲に渡ってバックグラウンドをコントロールし、さらに高い感度を得ることができます。
1次フィルターはESPRITソフトウェアから選択することができ、測定に合わせてバックグラウンドを抑制します。
XTrace 2の電動ステージによって、ポリキャピラリー光学系を自動で挿入/退避させることができます。
XTrace 2の安全回路はSEMのロードロック室の開閉状態と連動することができます。この安全機能により、ロードロック室が開いている場合にはX線源のシャッターを閉じ、X線への曝露を防ぎます。この安全機能は様々なSEMと連動することができます。
Rapid StageはSEMステージ上に取り付けられるピエゾステージで、最高4 mm/sの速度で広い範囲のX線元素マッピングを測定することができます。
Rapid Stageは50 x 50 mmの範囲に渡って、軽元素、微量元素のスペクトルや高エネルギー領域のスペクトルを高速に簡単な操作で測定することができます。
XTrace 2とRapid StageはESPRITソフトウェアでシームレスに操作することができます。