異地性銅鉱床試料の元素分布・鉱物分布

 試料中での元素分布の変化を分析することは、地質学的プロセスや鉱床の起源を理解するために重要です。SEMにマイクロXRFを追加したデュアルソース(励起源)システムは、主要元素とppmオーダーの微量元素の広範囲にわたるX線元素分布を測定することができます。

 右図は異地性の銅鉱床からの試料の広範囲(45 x 30 mm²)マイクロXRF元素マップで、銅(赤)、カルシウム(緑)、マンガン(青)、ケイ素(紫)、塩素(深緑)の元素分布を示しています。さらにこの分析では、元素濃度が低すぎたりピークのエネルギーが高すぎるために通常の電子ビーム励起EDSでは検出できないCoやSrといった微量元素を検出することが可能です。このような情報により、元素分布と鉱物、組織の関連性や鉱床の起源をより深く理解することができます。

XTraceで測定した異地性銅鉱床試料の広範囲(45×30mm2)マイクロXRF元素マップ(分析条件:管電圧 Rh 50 kV、管電流 600 µA、ピクセルサイズ 25 µm、測定時間 101 分)。
左上 重ね合わせ元素マップ、右上 Cu定量マップ(QMap)、右下 微量元素 Sr(青)、Co(黄)の元素マップとX線合計強度マップ(反射電子像に類似)、左下 相分析マップ(P1 クリソコラ – 赤; P2 アタカマイト – 緑; P3 銅マンガン土 – 青; P4 炭酸塩 – 水色)