大気分析

有機エアロゾル、空気中に浮遊する金属粒子、建設・採掘・製造で発生する微細な粉塵など、これらすべての空気汚染を監視して、作業員と周辺環境を保護する必要があります。ブルカーは、大気分析を向上させるために不可欠なツールを提供しています。

大気科学と大気質のためのエアロゾル測定法

空気中の粒子状物質(PM)の定量的化学分析は、室内および屋外環境における健康影響の理解や、EUの大気質規制の施行に不可欠です。

AEROMET(Aerosol Metrology for Atmospheric Science and Air Quality)は、ヨーロッパにおける大気質モニタリングのための計量的枠組みの基礎を築き、強化することを目的としています。最終的にAEROMETは、エアロゾル複合分析のためのトレーサビリティと感度が改善された方法を開発し、実証したいと考えています。

このプロジェクトでは、カスケードインパクターによるエアロゾルサンプリングと全反射蛍光X線分光法(TXRF)を初めて組み合わせ、粒子元素組成をオンサイトかつ短時間間隔で定量化するツールを開発しました。

大気中の温室効果ガスの定量化

大気中の様々な温室効果ガスの濃度を正確に定量化することは、それらが気候変動に与える影響を理解する上で根本的にに重要です。 

ブルカーのハイエンドFT-IR分光計 IFS 125HRと、ポータブルFT-IR分光計 EM27/SUNは、太陽を光源として使用し、大気中に含まれる多くの温室効果ガスに関連する全カラムを測定することができます。

分光計は、遠隔地でも使用できる固定式か、一時的な測定キャンペーンのために移動式で使用されます。 その結果、人工衛星による測定の検証や、都市などの地域から排出される温室効果ガスの量を測定することが可能になります。

Watch how FT-IR is applied in Tokio, Japan.

FT-IRによる炭塵とシリカ粉塵のダイレクトオンフィルタ(DoF)分析

曝露評価には、一般的に赤外分光法(およびX線回折法)が用いられます。従来は、粉末状の試料を扱い、吸引可能なサンプラーで採取し、分析前に灰化する必要がありました。

しかし、近年、時間を節約するだけでなく、FT-IRを使用して鉱山の粉塵を分析する実用的で効果的なDoF法が開発されています。

大気・水試料から金属微粒子を捕集したフィルターのXRF分析

溶接、建設、採掘、製造、塗装除去などの工程で、作業者や周辺環境を保護するために大気中に浮遊する重金属やその他健康に悪影響を及ぼす可能性のある物質を監視する必要があります。同様に水中の金属粒子等も、人や動物、周辺環境を保護するために分析する必要があります。これらの浮遊物質はフィルター捕集によってサンプリングされます。

XRFは、環境評価のためにフィルター上に採取された重金属やその他の微量元素の元素分析を、高速かつ非破壊で行うことができます。ブルカーのXRF分析装置には、ラボでのハイスループット測定を目的としたED-XRFおよびWD-XRF、ポイント&シュートのハンドヘルドXRFマイクロXRF全反射XRF(TXRF)スペクトロメーターがあります。

 

TXRFは、フィルター上に付着したごく少量の試料を分析する場合でも、重金属分析においてICP-OESやAASと同等の感度を有しています。TXRF元素分析は、ICPよりも大幅に高速で「環境に優しい」方法です。 EU EMPIR 16ENV07 AEROMETプログラムによる現場でのTXRF測定のためのSOP(ドラフト)が利用可能です。

ポータブルXRFは、ダストワイプやフィルターの測定に最適です。表面のダストワイプ、ペイントチップ、フレークはすべて、産業衛生要件に従って重金属をスクリーニングすることができます。NIOSH 7702およびOSHA OSSS1/OSA1への準拠が可能です。

XRDによるシリカ粉塵のモニタリング

土石、岩石、好物などを破砕したり研磨、切断した利する場合に発生する粉塵は、肺がんやその他の健康問題を誘発します。粉塵中に含まれる結晶質シリカは遊離けい酸とも呼ばれ、もっとも有害な成分として作業環境濃度の管理が定められています。

粉末X線回折(XRD)は、結晶質シリカの多形である石英、クリストバライト、トリジマイトを効率的に識別することができます。さらに、XRDは作業環境に存在する可能性のある他の結晶性鉱物の検出や存在寮費の導出などに応用できます。

ポータブル蛍光X線装置を用いた船舶燃料から発生する硫黄汚染物質のモニタリング

船舶による汚染の防止のための国際条約(MARPOL)違反燃料油の運送禁止が2020年3月1日に発効されました。 船舶用燃料に含まれる硫黄分を迅速かつ正確に測定し、バンカー燃料が排出規制地域やその他の制限された場所での規制に適合していることを確認します。この方法は、ASTM D4249の高濃度範囲(燃料中の硫黄分0.1~5.0%)およびISO 8754:2003に準拠しています。サプライヤー、エンジニア、船長、検査官は、サービスラボ、サプライステーション、ドック、港、そしてバージや船上でも、当社のポータブルXRF硫黄測定ソリューションをご利用いただけます。

ブルカーのCTXポータブルXRFシステムは、船上またはターミナルで燃料中の硫黄を信頼性が高く安価に検証することができます。