In-Situメカニカル・テスト

In-Situナノスクラッチモジュール

トライボロジー試験のその場観察により、摺動面で生じる材料の変形や薄膜の剥離のプロセスを明らかに

トライボロジー特性評価において、摺動界面で起こる変形プロセスを明らかにするin-situ測定技術は極めて有効な手段です。また、摩耗進展の直接観察を可能にすることで、摩擦、摩擦化学反応、界面接着性、耐摩耗性およびナノ粒子の圧延に関して、様々な有効なデータを得ることができます。ブルカーのハイジトロン PI 95 TEM ピコインデンターおよびハイジトロン PI 88 SEMピコインデンター向けのナノスクラッチオプションは、垂直荷重と水平荷重を同時に高分解能で検出することで、ナノスケールのトライボロジー特性評価を可能にしました。

ナノスクラッチ試験は、垂直荷重を制御しスクラッチ試験を行いながら、圧子と試料との間の水平方向の荷重を測定する試験です。垂直荷重と水平変位をユーザーがコントロールし試験を行うことができるので、試料に応じて様々な条件で試験を行うことができます。試験後、荷重と変位のデータから、臨界荷重、接着力、剥離力などを算出可能です。長期間にわたる摩耗メカニズムを評価するための往復スクラッチ試験モードも搭載しています。これらのナノスクラッチ試験はすべて電子顕微鏡でin-situで観察することが可能なため、ナノスクラッチ試験結果についてより深く考察し、垂直荷重と水平荷重を同時に高分解能で検出することで、材料挙動に関する豊富な情報を得ることができます。

通常の負荷スクラッチテスト中に記録された通常および横方向の力データ(上)のプロットと、変形と故障の様々な段階を示す同期SEMビデオのフレーム(下):(A)2組の亀裂がスクラッチパスに垂直に形成されます。(B) プローブの前に、デラミネーションイベントと可視座屈(C) 剥離領域のスマレーション/放出;そして(D)プローブが最初のスポール領域の遠縁に達すると、第2のスマレーション/剥離イベント。