多周波ESRは、磁場依存項と独立項を分離するためのツールです。ブルカー・バイオスピンのESR製品は、現在、1GHzから263GHzという幅広いマイクロ波周波数を網羅しています。
高周波 ESR の利点はよく知られていますが、低周波 ESRの場合は大きなサンプル、特に in-vivo 研究に最適です(ELEXSYS E540)。
多周波ESRスペクトルは、シミュレーションがより効果的です。また、広い時間領域で運動効果を調べることができます。
CW-ESRシステムの多くはXバンドで動作しています。従って、多周波CW-ESRへの第一歩は、異なる動作周波数を使用する、ということになります。通常のCW-ESRの場合、34GHzのQバンドが最適ですが、その理由は以下の通りです。
次以下の表は、最も一般的なESR周波数とその周波数範囲、およびラジカル種に対するg=2の磁場掃引の値をそれぞれ示しています(「ESRとは?」の CW ESR 理論を参照してください)。これらの周波数は全て、当社の磁石システムで一般的に提供されているものです。
L | S | X | Q | W | |
v / GHz | 0.8-1.2 | 3.4-3.8 | 9-10 | 34 | 94 |
g = 2 / kG | 0.35 | 1.3 | 3.4 | 12.2 | 33.5 |
Bruker BioSpinの多周波ESRは、CW-ESRのみにとどまりません。ブルカー・バイオスピンのESR製品は、CWモードとパルスモードの両方で、実際の多周波およびマルチレゾナンスESR、ENDORおよびELDORが可能です。例えば、中間周波数(IF-)のコンセプトにより、XバンドE580システムをQバンド(SuperQ-FT)に容易にアップグレードすることが可能です。