ニッケル基単結晶超合金は極限温度においても化学的、微細構造的に安定するよう設計され、優れた耐クリープ性、耐疲労性、耐酸化性を持った高性能材料です。その相の安定性は合金元素の種類や合金中での分布に大きく依存します。ブルカーの最新EDS検出器 XFlash® 7 は、この両方を分析することができます。
ニッケル基単結晶超合金はγ相、γ’相の2相からなっており、γ相が母相、γ’相が立方体状の析出相となっています。
ニッケル基単結晶超合金の元素分析は、析出相の間にある母相が数10 nm程度の幅しかないため、困難な分析となります。SEM-EDSはこのような材料でも高い空間分解能で定性、定量分析することができる汎用的な手法です。
ここでは、機械研磨したニッケル基超合金試料を3 kVの低加速電圧で測定したEDSマップを示します。これらのEDS測定では、約15 nmの空間分解能が得られており、2つの相が明確に区別できます。
XFlash® 7シリーズ EDS検出器の高い検出効率により、濃度の低い元素の検出とマッピングも可能です。EDS元素マッピングを測定することで、超合金の母相が主にコバルトとクロムからなり、微量のタングステンとモリブデンを含むこと、一方で、析出層は主にニッケル、アルミ、ケイ素を含むことがわかります。