水質分析
蛍光X線分析（XRF）による水中の重金属および有害元素のモニタリング
人、動物、周辺環境を保護するために、水源では、重金属やその他の危険な元素の汚染物質について監視する必要があります。
XRFは、土壌中の重金属やその他の微量元素の元素分析を行うための高速かつ非破壊の分析技術です。ブルカーの元素分析装置には、ハイスループットのラボ用ED-XRFおよびWD-XRF、ポイント＆シュートのハンドヘルドXRF、マイクロXRF、全反射XRF（TXRF）分光計があります。
ポータブルXRFは、採掘やその他の産業活動からの流出水だけでなく、浄化前、浄化中、浄化後の疑わしい水域の重金属をスクリーニングするのに理想的です。
TXRFは、ハロゲン化物を含む水の多元素分析を提供します。重金属分析においてICP-OESやAASのような感度を持ち、外部校正や高いメンテナンス費用を必要としません。TXRFの元素分析は、ICPに比べて格段に速く、「環境にやさしい」分析法です。
FT-IRによるフィルターやマトリックス上のマイクロプラスチックの分析
近年、海水や飲料水、さらには大気中にも微小なマイクロプラスチック粒子が観察されるようになりました。これらは雨や雪によって空気から洗い流され、北極やアルプスのような遠隔地にも広がっています。
水中のマイクロプラスチックを分析する場合、ろ過プロセスの選択は、試料の前処理そのものと同じくらい重要です。FT-IR 顕微鏡は、あらゆる種類のフィルター上で、マトリックスとは無関係に、微小なポリマー粒子を測定し、以下の分析結果が提供されます。
- 粒子の種類、サイズ、数
- 自動粒子認識
固相抽出法とFT-IRによるオイル・グリース分析
有機系有害廃棄物（オイルやグリース）は、水生生物、植物、動物の生態系を破壊し、人間には変異原性、発がん性があると言われています。したがって、油脂類が工業的に、また、大規模に取り扱われる場合（例：海洋石油掘削船）には、環境への排出を厳密に監視する必要があります。
ASTMが承認したメソッドD7575には、赤外分光法を用いた簡便な分析法が記載されています。水試料を固相抽出器に通すだけで、すぐにオイルやグリースの含有量を分析することができます。この分析により、油脂汚染の量とその起源を直接解析することができます。
質量分析による水中汚染物質のスクリーニング分析
人、動物、および周囲の環境を保護するために、地下水、河川、海、飲料水などの水源では、農薬やダイオキシン類などの有機汚染物質やその他の新規汚染物質のモニタリングが行われています。
質量分析は、既知・ターゲット農薬の分析や水中のノンターゲット物質スクリーニングによる新規汚染物質のモニタリングに威力を発揮します。ブルカーのTargetScreenerは、ターゲットとノンターゲットの両方のワークフローに対応する包括的なソリューションで、多種多様なマトリックス中の複数のターゲットを高い信頼性で同時に検出、定量する独自の機能を提供します。
