Non-Uniform Sampling (NUS) は、高分解能多次元NMR実験の長時間かかるという問題を解消します。
特に生体分子の多次元NMR実験に有用であり、三次元、四次元、五次元実験と次元が上がるにつれてシグナルの分離能が上がるので、さらにNUS向きとなります。その結果、サンプリングするポイント数をさらに減らすことができるので時間短縮の効果がいっそう増します。 NUSを使用することで、タンパク質構造の決定に向けた新しい実験が可能になります。
低分子の2Dスペクトル測定のアプリケーションでは、例えば取り込むポイント数を半分に設定すると、2倍の速さでスペクトル測定が可能です。ここで特に注目されるのは、全体の測定時間を増やすことなく、NUSによって提供されるスペクトル分解能と品質が向上する点です。
Non-Uniform Sampling (NUS)を用いたスペクトル測定および処理機能は、TopSpinに完全に統合されています。NUSはルーチンで使用することができ、あらゆる種類の多次元NMR実験に適用できます。自動で生成、最適化されたNUSスパースリストが、ランダムかつ不連続にFIDを取得するサンプリングパターンを定義します。MDD(Multi-dimensional decomposition)法により欠損データポイントを計算することで、データポイントを再構築し、通常のフーリエ変換処理を完全自動で行うことができます。
NUS実験のセットアップと実行は、TopSpinライセンスでカバーされています。これには、2Dスペクトルの処理も含まれます。3D-5DのNUSスペクトルの処理には、追加ライセンスが必要です。
NUSのTopSpinへの実装は、Orekhov教授と共同研究者の研究成果です。
参考文献:
Orekhov, V.Y., I. Ibraghimov, and M. Billeter, J. Biomol. NMR, 2003. 27(2):p. 165-173
M Mayzel 1, K Kazimierczuk, V Yu Orekhov, Chem Commun (Camb). 2014 Aug 18;50(64):8947-50.
doi: 10.1039/c4cc03047h.
Krzysztof Kazimierczuk 1, Vladislav Yu Orekhov, Angew Chem Int Ed Engl. 2011 Jun 6;50(24):5556-9.
doi: 10.1002/anie.201100370.
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