使いやすいベンチトップシステムでありながら強力なNMRの分析能力を持つことで、異なる薬剤成分や異なる性状の固形物の定量が可能です。
材料科学では、製剤物質のような固体混合物中の成分の定量が重要です。特に製薬業界では、薬剤開発の初期から製造段階まで、固体形状の原薬が医薬品の製造や保管によってどのような影響を受けるのか、また添加剤とどのように相互作用するのかを把握することを含めて、API(原薬)の形状の特性解析と定量が重要な役割を担っています。しかし現在の定量法には、高額、キャリブレーションに手間がかかる、精度が不足しているなどの課題があると考えられます。
ブルカーでは、APIの非晶質(アモルファス)等の物理的形状をモニターして定量するために、信頼性が高く比較的安価なTD-NMR(時間領域核磁気共鳴法)を活用します。特許取得済みのminispec Form Checkでは、固体混合物に予測される成分のフィンガープリントとして 1H あるいは 19F の緩和時間データを用います。これにより、面倒なキャリブレーションやデリケートなサンプル調製、高度な専門知識が不要です。
minispec Form Checkでは、卓上型 minispec mq20 TD-NMR装置で測定した純粋な成分はもちろん、添加剤も、1Hまたは 19F T1の飽和回復曲線(SRC)と分析対象物質のSRCを比較することにより定量が可能です。この手法の新しい点は、エラーの原因となることが多い、完全な緩和時間解析を必要としない点です。代わりに、基準SRCの線形結合を使って混合物のSRCにフィッティングします。この線形結合の係数を、純粋な成分の相対的な量比に直接置き換えることができます。なお成分の緩和特性によっては、精度を0.5%まで抑えることができます。
minispec Form Check は、他の技術(PXRD、ラマン、IR)とは全く異なる角度から固体形状の定量化にアプローチします。時間領域(TD)装置であるため、フーリエ変換は不要で周波数領域を持ちません。
minispec Form Checkは、緩和時間(この場合はT1緩和)に基づいて成分を分別し分けます。通常、薬剤の結晶形態と非晶質形態のT1緩和時間は大きく異なります。従ってこの手法は特に、PXRDでは困難で大きな定量誤差を伴うような低濃度の非晶質(LOQ < 1%)の定量に、理想的です。
ブルカーは、最初のお問い合わせから評価、据え付け、その後装置が寿命を迎えるまでの購入サイクル全体を通して、お客様に比類のないサポートを提供することをお約束します。
LabScapeの保守契約、On-Site、On-DemandおよびEnhance Your Labは、現在の実験室に適した保守とサービスを行うために、新しいアプローチを提供するよう設計されています。