ハイスループットスクリーニング
ラベルフリーMALDI-TOF質量分析が提供する独自のスピードと特異性
全く新しいrapifleX® MALDI 飛行時間型質量分析計はrapifleX® MALDI PharmaPulse®の心臓部です。最新の10 kHzスキャニングレーザー技術を装備し、1秒間に多数のサンプルを測定することが可能です。システムの全コンポーネントが連携して動作し、完全に自動化されたHTSオペレーションが実行されます。新設計のスクリーニングソフトウェアスイートは、HTSワークフローをサポートし、独自のアッセイ開発モジュールと組み合わせることにより、MALDI質量分析のためのラベルフリーアッセイ開発を促進します。最新の合成スクリーニング用ソフトウェアモジュールは、化学反応のスピーディーなモニタリングや、高効率で特異性の高い結合アッセイ分析など、新しいアプリケーション領域を創出します。
質量分析は、偽陽性および偽陰性を回避した未修飾基質の一次スクリーニングを可能とし、確認スクリーニングを冗長にします。本システムは、384および1536フォーマットのサンプルプレートでの全自動処理用に設計されており、1週間で100万以上の化合物をスクリーニングすることで創薬をサポートします
超ハイスループットスクリーニングの新基準-ラベルフリー「ヒット化合物」識別
ブルカーの特許Smartbeam 3Dレーザーテクノロジーのスピードと、質量分析の直接検出機能を組み合わせることで、rapifleX® MPPは生化学アッセイや細胞アッセイに前例のない超ハイスループットなスクリーニング能力をもたらします。1週間に100万化合物以上のペースで、大規模かつ多様な化合物ライブラリーを探索することができ、スクリーニングの自動化と短縮化を完璧なバランスで実現します。
リードアウトテクノロジーとして、ブルカーのrapifleX®質量分析計をuHTSシステムに統合した最初のCROであることを私達は大変誇りに思っています。質量分析計はラベルフリーアッセイの直接測定を可能にし、スクリーニングにおける偽陽性や偽陰性の数を減らすことができます。これにより、我々の創薬プログラムのリードジェネレーションフェーズが、時間、コストともにより効率的になります。
384または1536マルチチャネルピペッターを備えたCyBio®-Well varioと互換性があり、高精度かつ超高速なサンプルプレート調製を実現
サンプルあたり1桁のコスト
全自動1536サンプルプレートローディング
新しい使い捨てMALDI HTSサンプルプレート
MPPシステムは、生化学的一次スクリーニングにおける未修飾基質の測定を可能とし、数々の利点をもたらします。
PharmaPulse® ソリューション
PharmaPulse® ソリューションは、ブルカーの高度なMALDI-TOFテクノロジーと専用ソフトウェアパッケージをベースにしています。使いやすさと分析速度を重視した開発を行うことで、数百万のサンプルを全自動で測定分析するための直感的かつ強力なソフトウェアソリューションが完成しました。2つのワークフローにより、MALDI質量分析へのアッセイの最適化から、LIMSシステムへの結果のエクスポートまで容易に行うことができます。
rapifleX® MPPは、多数のサンプルスポットにおける生成物と基質のMSピーク強度比を明瞭にモニターし、阻害剤候補存在下での生化学的変換効率を決定します。このような生化学的スクリーニングにより、各種阻害剤の有効性が測定できます。
この生化学的スクリーニングに加えて、新しいMPPソフトウェアモジュールは合成スクリーニングをサポートしています。合成スクリーニングでは、各スポットが異なる化学反応に由来する多様なm/z値を示す可能性があるため、ターゲットとするm/z値に関して、より高い柔軟性が求められます。新しい合成スクリーニング用MPPソフトウェアモジュールにより、サンプルスポットごとに多数の化合物をスクリーニングすることでき、時間をとられることなく、より詳細な化学反応の解析が可能になります。
ライブラリーのフルスクリーニング
rapifleX® MPPは、数百万の多様な化合物に対する大規模一次スクリーニングが可能な唯一の質量分析計です。完全自動化により、週に100万化合物以上のスクリーニングをサポートし、時間のかかる確認スクリーニングを回避することができます。[1]
ライブラリーのフォーカススクリーニング
rapifleX® MPPで得られるデータの品質は、二次スクリーニングや確認スクリーニングの要件を満たしています。例えば、ライブラリーの一部から標的タンパク質のキナーゼ阻害剤を同定するような、フォーカススクリーニングの理想的な検出器となります。[2]
フラグメントスクリーニング
MALDI-TOF質量分析法で利用可能な質量範囲と分解能は、フラグメントや他の低分子化合物のスクリーニングを可能にします。[3]
[1] Winter, M.; Ries, R.; Kleiner, C.; Bischoff, D.; Luippold, A. H.; Bretschneider, T.; Buettner, F. H.; Automated MALDI Target Preparation Concept: Providing Ultra-High-Throughput Mass Spectrometry–Based Screening for Drug Discovery. SLAS Technology 2018, https://doi.org/10.1177/2472630318791981
[2] Beeman, K.; Baumgartner, J.; Laubenheimer, M.; Hergesell, K.; Hoffmann, M.; Pehl, U.; Fischer, F.; Pieck, J.C.; Integration of an In Situ MALDI-Based High-Throughput Screening Process: A Case Study with Receptor Tyrosine Kinase c-MET. SLAS Disc. 2017, 22, 1203–1210.
[3] VanderPorten, E.; Scholle, M.; Sherrill, J.; et al. Identification of Small-Molecule Noncovalent Binders Utilizing SAMDI Technology. SLAS Discov. 2017, 22(10):1211-1217.
堅牢なHTSアッセイの開発と検証においては、酵素の生化学的特性と動態に関する十分な理解が不可欠です。rapifleX® MPPは、直線性試験、基質選択、Ki値測定、IC50判定などにより、アッセイ開発とヒット確認を支援します。
IC50(50%阻害濃度)は、創薬プロセスにおける重要なパラメータです。MALDI PharmaPulse® ソフトウェアは、専用のメソッド開発モジュールを備えており、アッセイ開発をサポートします。メソッド開発モジュールにより得られた最適なアッセイ条件は、IC50判定用のMALDI-TOFスクリーニングに適用され、専用のスクリーニングモジュールにより実行されます。
rapifleX® MALDI PharmaPulse® で一週間に100万サンプルを測定
新しいrapifleX® MPPは、ブルカーにおけるMALDI質量分析計の革新的な開発の成果であり、この技術と独自のアプリケーションに対する私たちの情熱と知識が反映されています。rapifleX® MPPの飛行時間型質量分析計(TOF-MS)は、低分子化合物から大型タンパク質まで、HTSモードで最大30のイオンをモニターします。rapifleX® TOF-MSの分解能と感度が向上したことで、例えばアセチルコリン(ACh)とコリンのモニタリングが可能になり、何百万もの物質の中からアセチルコリンエステラーゼ(AChE)阻害剤を同定することができます。独創的な検出器設計により、広範な質量範囲で感度が向上し、S/N比が大幅に改善されました。全く新しい HTS ソフトウェアスイートはHTSのセットアップを容易にし、独自のアッセイ開発モジュールはMALDI 質量分析用のラベルフリーアッセイを迅速に適応させます。
rapifleX® MALDI PharmaPulse® の自動化
rapifleX® MALDI PharmaPulse® は、完全自動スクリーニングを実現するため、ラボ自動化システムとシームレスに統合するように設計されています。MALDI PharmaPulse® ソフトウェアソリューションは、外部のスケジューリングソフトウェア(例えばAnalytik Jena lab automation、HighRes Biosolutions、Beckman Coulter、Thermo Scientific automation)に対して、その操作の一部を制御するためのオープンインターフェースを提供します。rapifleX® MPPの新しい高速オートローダーは、ロボットシステムと連携し、サンプルプレートの迅速なローディングと取り出しを可能にします。
研究用にのみ使用できます。臨床診断には使用できません。