OPSは、フーリエ変換赤外(FT-IR)分光法をベースとしたアクティブ式リモートセンシングシステムで、ppbレベルの低濃度のガス化合物でも正確に定量することができます。
OPSの主要なアプリケーションの1つに、フェンラインモニタリング、すなわち精製所や化学工場のような工業用地の敷地境界線に沿ったガス化合物の定量があります。また、フュージティブエミッション(望ましくないガス排出)、排気ガス、農業ガス、山火事で排出されるガスなどの排出ガスモニタリングにもよく使用されます。OPSの様々なアプリケーションに関する出版物については、以下の最後のセクションもご覧ください。
OPSの動作原理:
装置内部の中赤外光源から放射される赤外光は干渉計で変調された後、望遠鏡を経由して分光計から数百メートル離れた再帰性反射アレイに送信されます。反射された光は同じ望遠鏡で受光され、検出器に集光されます。
分光計と再帰性反射鏡アレイ間の光路にあるすべての赤外活性ガス化合物は、赤外光を吸収し、測定された赤外スペクトルに特徴的な吸収特性を引き起こします。OPSはこれらのガスを定性し、定性した化合物の吸光特性の分析に基づき平均濃度をリアルタイムで定量します。
OPSはリモートセンシングソフトウェアOPUS RS/OPSで操作します。OPUS RS/OPSは、卓上型マルチガスアナライザー用のガス分析ソフトウェアOPUS GAと同様に、ターゲットガスに対する校正を必要とせず、複数のガスの定量を可能にします。定量は、ターゲット化合物の参照スペクトルを測定スペクトルにフィッティングする独自の非線形フィッティングアルゴリズムに基づいています。大気中の干渉ガスはフィッティング手順で考慮されます。
OPUS RS/OPSソフトウェアでは、測定中にリアルタイムで定量される化合物の定量メソッドをソフト上で数回クリックするだけで追加できます。ユーザーは、利用可能な参照スペクトルライブラリ(350種類以上の化合物を含む)からターゲットとなる化合物を選択し、いくつかのパラメータを設定するだけで定量メソッドを作成できます。既存の測定は、測定を再実行することなく、いつでも新しく追加された定量メソッドで再解析できます。
OPSは1.0cm-1の最高波数分解能を持ち、オプションで0.5cm-1にアップグレードすることも可能です。この高いスペクトル分解能により、多数の赤外吸収ピークが重なり合った複雑な混合ガスの分析が容易になります。さらに、0.5 cm-1の分解能で最大5Hzの高い測定レートにより、オープンパス内のガス組成が急速に変化している場合でも、リアルタイムで調査することができます。
多方向のモニタリングが必要な場合、電動パンチルトヘッドのオプションが利用できます。ヘッドをOPUS RS/OPSで正確に制御・プログラムすることで、複数の再帰性反射体アレイが設置されている方向に分光計を向けることができます。
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