Bruker、物質・材料解析および最先端研究用途の
新しいD6 PHASER^TM ベンチトップX線回折（XRD）プラットフォームを発表

ドイツ、カールスルーエ – 2023年6月27日 – X線回折（X-ray diffraction: XRD）の世界的リーダーであるBruker Corporation (Nasdaq: BRKR)は、本日、新しいD6 PHASER™ X線回折装置を発表しました。D6 PHASERは、通常据置型システムでしかなし得ない分析上の柔軟性を備えた、新しいベンチトップXRDプラットフォームです。従来の卓上型XRD装置とは異なり、D6 PHASERは粉末回折のみならず幅広い解析手法を可能にします。D6 PHASERに搭載された新機能により、新たな市場やユーザーコミュニティにおけるXRDアプリケーションの拡大が期待されます。

　D2 PHASERの成功をもとに開発されたD6 PHASERは、据置型のD8プラットフォームの機能性に加え、高いX線発生出力と多彩なX線光学系を備えた革新的なベンチトップデザインを兼ね備えています。電動可変エアースキャッタースクリーン（Motorized Air Scatter Screen: MASS）は、粉末XRDにおいて、あらゆるサンプルに最適な測定結果をもたらすDBO（Dynamic Beam Optimization）を可能にします。D6 PHASERは、キャピラリー透過、すれすれ入射回折測定、X線反射率測定、残留応力測定、極点図測定、雰囲気制御測定など、さまざまなX線回折アプリケーション用のサンプルステージを切り替えて搭載できます。DA VINCIインターフェースの採用により、サンプルステージ交換時の再調整は不要となります。 

　特許取得済みのD6 PHASERゴニオメーターは、広い2θ範囲において≤±0.01°の測定角度精度保証が付随します。タッチパネルの操作だけで、D6 PHASERは自動的に角度精度の検証を行います。D6 PHASERは、LYNXEYE™検出器シリーズを搭載可能です。粉末パターンの2次元記録を行うBragg2D^TM測定モード（特許取得済み）は、サンプルの粉砕度合いを簡便に評価するのに適しています。すぐれたエネルギー分解能を有するLYNXEYE XE-T検出器により、Kβフィルターを用いる必要はなくなります。さらに、鉄やマンガン、コバルトなどに由来する蛍光X線の影響も高効率に低減することができます。  

　汎用性の高いD6 PHASERは、DIFFRAC.SUITE™ソフトウェアと組み合わせることで、自動化されたプッシュボタンメソッドや、データ品質を最適化するための測定設定のカスタマイズに対応します。D6 PHASERは、外部冷却送水装置が不要で、単相電源運用できるため、どのような実験室にも設置でき、多用途で高性能なXRDシステムの運用が可能です。加えて、D6 PHASERは最新の対漏洩X線性能および機械指令に準拠しており、GxP対応ソリューションとして利用いただけます。

　Bruker AXS Division, PresidentのDr. Frank Burgaezyは次のように述べています。「D6 PHASERは、比類のないベンチトップ機能、多用途性、すぐれたユーザー体験を提供します。D6 PHASERは革新的なベンチトップXRDプラットフォームであり、ユーザーが抱える直近の材料解析の課題に応えるだけでなく、未来の最先端材料の探索もサポートします。」

　D6 PHASERは、クリーンエネルギーのような応用市場において、最先端のXRD手法の利用を促進します。

　Magneto Special Anodes社の研究員Dr. Jan Vosは次のように述べています。「私たちは、グリーンエネルギー移行における次世代水電解槽の心臓部となる電極触媒コーティングの開発を重点的に推し進めています。Brukerの新しいD6 PHASERプラットフォームは、私たちのコーティング開発を加速するために必要な、据置システムに匹敵するX線発生出力、柔軟性、測定精度を提供してくれるでしょう。これまでコンパクトな卓上型装置では利用できなかった、材料科学に不可欠な高度なX線技術を利用できるようになり、D6 PHASERは、間違いなく私たちを大いに助けてくれるでしょう。」

D6 PHASERの詳細については、こちらをご覧ください。
www.bruker.com/d6phaser