ゲッティンゲン(ドイツ) - 2021年9月27日 - NMR分野のパイオニアであり、Bruker BioSpinの設立と成功に大きく貢献したTony Keller博士が、第42回FGMR年次総会でドイツ化学会(GDCH)が授与するOtto-Stern賞の最初の受賞者となりました。 この賞は、博士の磁気共鳴分野における模範的な業績と長年の貢献を称えて授与されるものです。
Tony Keller博士が産業用電子機器に興味を持ったのは、軍で早期警戒レーダーシステムのために新設された部隊に配属された若い頃でした。彼がNMRに出会ったのは1960年のことで、会社の役員から、レーダーに似た新しい技術があるが、それは原子レベルのものであるという話を聞いたときでした。 これを聞いたKeller博士は、この技術を化学に応用できないかと考え始めました。
1965年、スイスのチューリッヒにあるTrüb Täuber AGで4人の小さなチームで働いていた時に、彼の部署は、ブルカーの一部として新しく設立されたSpectrospin AGに買収されました。 これがKeller博士とブルカーとの長い関係の始まりです。Keller博士は、NMR市場のキープレーヤーとしてブルカーの設立に貢献し、北米でのブルカーの設立の原動力となりました。また、1978年には当時のブルカーで最も大きな組織であったBruker Analytik社のマネージング・ディレクターを務めるなど、ブルカーの中で多くの重要なポジションを担っており、現在はBruker BioSpin社のVice Chairmanを務めています。
Tony Keller博士は、長年にわたり、数え切れないほどの特許を取得し、いくつかの賞を受賞した後、世界初のプロトンをデカップリングした多核のフーリエ変換NMR分光計を開発したことで知られています。また、当時は不可能とされていた、1Hをブロードバンド・デカップリングした13Cをフーリエ変換モードで初めて記録したのもKeller博士です。博士は先見の明があり、超伝導磁石、デジタル分光計、クライオプローブ、高磁場NMRなどの新技術の必要性を感じていただけでなく、より簡便なNMRや自動化を進め、スペクトルのアウトプットを増やし、より多くの研究者にNMRを提供しました。
Dr. Falko Busse, President of the Bruker BioSpin Group
ブルカーは、人々の生活の質を向上させるような画期的な発見や新しいアプリケーション開発を可能にします。高性能な科学機器と価値の高い分析・診断ソリューションは、科学者が分子、細胞あるいは顕微鏡レベルで生命や物質を探求することを可能にします。ブルカーはお客様との緊密な協力関係の下、ライフサイエンス研究、製薬、化学工業、顕微鏡やナノ分析、細胞生物学、前臨床イメージング、臨床フェノミクスやプロテオミクス研究、臨床微生物学などの分野における革新、生産性の向上、お客様の成功を実現します。
Media Contact:
Markus Ziegler
Sr. Director and Head of Group Marketing
Bruker BioSpin
T: +49 172 3733531
E: pr@bruker.com