新型コロナウイルス(COVID-19)禍が長期化していることに伴い、リモートワークが実験施設にも浸透してきました。一方で超伝導磁石を使用しているNMR及びMRI装置の維持には、定期的な冷媒(液体ヘリウム&液体窒素)の補充が必要です。
このため、ブルカージャパンでは、通常のサイクルではなく、早めに冷媒を補充することを強くお薦めしています。
超伝導マグネットは液体ヘリウムおよび液体窒素を維持する必要があります。
そのため、日頃実施いただいている
は、これまで通りの対応をお願いします。
なお、リモートワーク中の液体ヘリウムおよび液体窒素については、早めの充填をお薦めしております。
液体窒素は満タンの充填後から最低2週間は維持されます。
液体ヘリウムは液体窒素が無くなるとヘリウムの蒸発が早くなり(-5%/day 前後)、マグネットの最低レベルを下回るとクエンチの可能性があります。
そのため、概ね3週間以上の閉鎖(例外なく入構禁止というレベル)の状況に備える場合は、磁石の電流を一旦落とす(消磁作業)ことを考慮する必要があります。
消磁作業は移転時のように機材を持ち込んで磁石から電流を抜いて安全な状態にします。
この作業を実施した場合、再励磁するまで装置は使用できなくなります。なお、消磁作業は有償となります。
液体ヘリウムレベルは Host PCから分光計を通して測定しているため、測定に使用しない場合でも可能な限り電源ONにして頂くようお願いします。
測定に使用しない間は電源OFFにして頂いて構いません。
前項の通り、NMR装置においては、超伝導マグネットの冷媒を維持していくことが重要となります。日々液体ヘリウムと液体窒素のレベルを確認するようお願いしているのは、その一環となります。しかしコロナ禍、あるいは災害時には、このような日常の点検すら難しくなる可能性があります。この日常点検をサポートする方策として、
弊社では、マグネットのリモートモニタリングを無償で提供しております。(設定費用別途)
これはお客様の制御用PCから弊社のサーバーに定期的に冷媒のレベルを送信し、何か異常があれば即座に警報を発するというシステムです。データを弊社サーバに送信するという性質上、インターネット接続が必要となるため、すべてのお客様で有効にできるわけではないのですが、このような状況下では非常に有用なシステムです。警報を弊社で認識次第、速やかに冷媒充填などの対応に移ることができます。
リモートモニタリングおよびNMRを自動化するためのツールについては、ウェビナーでご紹介しています。
前述のような長期入構禁止になるなどの事由でお客様から依頼があった際には、作業可能です。しかし再励磁まで使用できないこと、また費用もかかることから消磁は非常時における最後の手段として認識頂ければと思います。
電話・メールによるサポート、および訪問対応については、現在通常通りの体制を維持しています。
※非常時は、政府・自治体の要請や指示により体制に変更がある可能性があります。
お問い合わせ:
ブルカージャパン株式会社
バイオスピン事業部 カスタマーサポート部
TEL: 045-444-1392
e-mail: Service.BBIO.JP@bruker.com