固体NMRでの温度可変測定
固体NMRでの温度可変測定
Nuclear Magnetic Resonance (NMR) Webinar

固体NMRでの温度可変測定

固体NMRにおける温度可変測定は、材料の物性を調べる上で非常に重要な手法です。さらに、昨今の固体NMRは、ハードウェア及びソフトウェアが格段に進歩し、一昔前とは比べ物にならない程に扱い易くなったことで、材料重視のユーザーが増え、ますます幅広い材料に適用されるようになってきました。

Overview

固体NMRにおける温度可変測定は、材料の物性を調べる上で非常に重要な手法です。従来から、高分子材料のように、温度で性質が変わる材料を調べる上では、固体NMRの温度可変測定は欠かせない手法でしたし、近年では、ガラス、セラミック、ゲルのような無機材料を調べるためにも一般的に使われるようになってきました。さらに、昨今の固体NMRは、ハードウェア及びソフトウェアが格段に進歩し、一昔前とは比べ物にならない程に扱い易くなったことで、材料重視のユーザーが増え、ますます幅広い材料に適用されるようになってきました。


しかし、固体NMRの温度可変測定は、必要に応じてハードウェアのつなぎ換えなどが必要になるため、溶液NMRよりはセットアップが煩雑である印象があります。また、固体高分解能NMRの温度可変測定では、マジック角(MAS)回転条件下で温度を変えるために、クラッシュ事故を防ぎ、測定を安全に行うためにはいくつかの注意点があります。
本セミナーでは、安全でかつ正確に温度可変測定を行うために、以下の内容について解説します。

  1. プローブは、ローター径(7, 4, 3.2, 2.5, 1.9, 1.3) 及びVT(Variable Temperature)ガス流入のしくみ(VTN, DVT, WVT)によって温度可変可能な範囲が異なりますので、各プローブの温度可変範囲について確認していただきます。
  2. ローターキャップにはいくつかの種類(Kel-F, Vespel, BN3等)がありますが、それぞれ温度可変可能範囲と最高MAS速度が異なりますので、ご確認いただきます。
  3. 窒素ガス発生装置や冷却器は、温度可変のためのハードウェアです。それらをどの温度のときに使用するのか、どのようにVTガス・ラインの接続をつなぎ換えるのか、ご説明します。
  4.  固体NMRの温度可変時には、ローターが高速で回転しているところに温度を変えるのですから、室温時よりクラッシュのリスクが高くなります。また、プローブから外に出た熱がシムコイルの温度を変えるため、シムコイルに室温のガスを吹き付けないとマグネットがクエンチするリスクがあります。このような温度可変時の注意事項についてご確認いただき、事故のリスクを減らす方法を解説いたします。
  5. プローブの温度検出器は、サンプルの温度を観測しているわけではないので、より正確な温度検出が必要な場合は、温度補正を行う必要があります。一般的には、Pb(NO3)2やKBrといった化学シフト温度計で補正しますので、その方法について説明します。

本セミナーの前半は温度可変測定を行うための知識を、後半は、いくつか設定温度を決めて実際に温度可変測定を行うという設定で解説していきます。固体NMRにおける温度可変測定は、材料の物性を調べる上で非常に重要な手法です。従来から、高分子材料のように、温度で性質が変わる材料を調べる上では、固体NMRの温度可変測定は欠かせない手法でしたし、近年では、ガラス、セラミック、ゲルのような無機材料を調べるためにも一般的に使われるようになってきました。さらに、昨今の固体NMRは、ハードウェア及びソフトウェアが格段に進歩し、一昔前とは比べ物にならない程に扱い易くなったことで、材料重視のユーザーが増え、ますます幅広い材料に適用されるようになってきました。


しかし、固体NMRの温度可変測定は、必要に応じてハードウェアのつなぎ換えなどが必要になるため、溶液NMRよりはセットアップが煩雑である印象があります。また、固体高分解能NMRの温度可変測定では、マジック角(MAS)回転条件下で温度を変えるために、クラッシュ事故を防ぎ、測定を安全に行うためにはいくつかの注意点があります。
本セミナーでは、安全でかつ正確に温度可変測定を行うために、以下の内容について解説します。

  1. プローブは、ローター径(7, 4, 3.2, 2.5, 1.9, 1.3) 及びVT(Variable Temperature)ガス流入のしくみ(VTN, DVT, WVT)によって温度可変可能な範囲が異なりますので、各プローブの温度可変範囲について確認していただきます。
  2. ローターキャップにはいくつかの種類(Kel-F, Vespel, BN3等)がありますが、それぞれ温度可変可能範囲と最高MAS速度が異なりますので、ご確認いただきます。
  3. 窒素ガス発生装置や冷却器は、温度可変のためのハードウェアです。それらをどの温度のときに使用するのか、どのようにVTガス・ラインの接続をつなぎ換えるのか、ご説明します。
  4.  固体NMRの温度可変時には、ローターが高速で回転しているところに温度を変えるのですから、室温時よりクラッシュのリスクが高くなります。また、プローブから外に出た熱がシムコイルの温度を変えるため、シムコイルに室温のガスを吹き付けないとマグネットがクエンチするリスクがあります。このような温度可変時の注意事項についてご確認いただき、事故のリスクを減らす方法を解説いたします。
  5. プローブの温度検出器は、サンプルの温度を観測しているわけではないので、より正確な温度検出が必要な場合は、温度補正を行う必要があります。一般的には、Pb(NO3)2やKBrといった化学シフト温度計で補正しますので、その方法について説明します。

本セミナーの前半は温度可変測定を行うための知識を、後半は、いくつか設定温度を決めて実際に温度可変測定を行うという設定で解説していきます。

Watch Recording

Who Should Attend?

  • 固体NMRの基本的なオペレーションをおこなえる方。
  • 固体NMRを使って有機・無機材料の分析をおこなっているもしくはおこないたいと考えている方。
  • ルーチン的に固体NMRを使いこなせるが温度可変測定をおこなったことがない方。

What Attendees Will Learn

多くの固体材料は温度によって性質が変わりますので、固体NMRによる温度可変測定は非常に重要な手法です。さらに昨今、固体NMRはハードウェアの発達によって扱い易くなり、材料重視のユーザーの方々にも日常的にご使用いただけるようになったことで、温度可変測定はより重要性を増してきました。本セミナーでは、固体NMRの温度可変測定に必要なハードウェア、ソフト

ウェアの基本的なセットアップについて解説し、また、温度キャリブレーションの方法について説明します。また、マジック角回転(MAS)下で温度可変測定を行うときには、室温での測定よりも注意が必要ですので、事故を防ぎ測定を安全に行うための注意点についても述べます。

畑中 稔
ブルカージャパン バイオスピン事業部 アプリケーション部  

タンパク質のフォールディングに興味を持ち、学生時代は赤外、ラマン分光でタンパク質研究を行っていました。ポスドクから固体NMRに転身し、それ以降、固体NMRによるタンパク質研究を軸に活動してきました。今もなお進化し続ける固体NMR測定技術そのものにも興味が尽きません。  

木村 英昭
ブルカージャパン バイオスピン事業部 アプリケーション部  

1998年群馬大学大学院工学研究科生産工学専攻博士後期課程修了。その後、NEDO Fellowとして(財)化学技術戦略推進機構、日本学術振興会特別研究員として東京工業大学、筑波大学VBLでのポスドクを経て、2005年に住友ゴム工業(株)入社、2012年ブルカー入社